コンセプト、理念
~ 自然 ・ 人 ・ コミュニティの力 ~
○五名の里山を生かし、自然と人とが共生する環境を確保しながら地域の活性化につなげます。
○都会では実現できないような、五名ならではの良さを発信します。
○地域のどなたでもが自由に楽しく集まる環境の中で、自分の居場所や役割を見いだし、地域の課題 に対しても地域のみんなで取り組めるような施設をめざします。
具体的な取り組み
○五名の特産物をいかした産直コーナー
○季節の食材をいかした食事スペース
○自然環境をいかした体験教室
○地域住民の得技をいかした作品のギャラリーコーナー
〇子供と大人が共に自然に親しみ、学ぶ力を養う野外学習広場
〇薪ステーション(里山整備事業) 他
平成 最後の秋。
五名地区のとある工房。天然乾燥された五名のヒノキに、地元の熟練大工による「ほぞ切り加工」が施されていた。小気味よいノミの拍子、ノコを挽く微細な音が刻まれる。
一粒の樹の種が木造建築として完成するまでには、長い年月とそれに関わった人たちの人生が積み重ねられているが、伝統ある「五名小・中学校跡地」に建てられようとする木造建築も例外ではない。
山の循環は、植林・下草刈り・枝打ち・間伐と、、、半世紀以上かけ育まれた樹はやがて伐倒され山を旅立つ。丸太は背割りされ天然乾燥へ。手刻みされた材が棟上げに至るまでには、真剣に森と向き合い木と会話する人たちの姿が見てとれた。時代とともに選択肢が増えるほど、それ以上に迷いも多い。かつてこの山間に子供たちでにぎわった学び舎も、もはや役回りを果たした。その姿を変える時である。五名が選んだのは、この地で培われた伝統・文化 をフィードバックする建物。地産地建。
先代の植えたヒノキを日本の伝統工法で建て、後世に残すこと。平成最後の年、半世紀以上の時を超えて当地区の集大成はもう間もなく姿を現そうとしている。